インバウンドとゲストハウス 

今回は、ブログのカテゴリーをビジネスの観点で書きたいと思います。

私の初の海外である2005年の香港・オーストラリアへの貧乏卒業旅行を紹介しながらいわゆるインバウンドのニーズとゲストハウスををすることになった背景を紹介し、ビジネスについても触れていきたいと思います。

大学4年の3月(2005年)、前回のブログにも出てきた高校時代の親友I氏と海外に卒業旅行に行きました。予算は20万。オーストラリアのエアーズロックに行くことと、もう一人の高校の親友T氏がシドニーに留学していたので、T氏に会いに行くことも目的でした。
安い航空券を探し、香港を経由することになったのですが、せっかく香港を経由するのだから、香港で1泊か2泊しようということになり、香港にも行くことになりました。まさか、その4年後に香港に住むことになるとは思いませんでした(香港での経験はまた別で紹介します)。

全ての航空券で14万(記憶が定かではない)ほどしたので、実質6万で宿泊費、食費、行動費、その他をやりくりしなければなりません。旅程は11日くらいだったと思いますが、そうなると1日5000円くらいで過ごさねばなりません。

香港での宿泊は、なんていうカテゴリーに入る宿泊施設なのかよくわかりませんが、個室でしたが、当時で3000円くらいの激安ホステル?に泊まりました。今でいうAirbnbで多い、個人のアパートの1室を借りるような感じでした。香港特有の鉄格子のような扉を開けて入った不思議な宿でした(笑)

オーストラリアの宿泊先は全てYHA(ユースホステル)
学生時代に日本のユースホステルに何度か泊まったことがあったのですが、日本のユースはもちろん良いところもありましたが、多くのユースが、なんというか営業する気があるのかないのか良くわからないくらい、魅力がない施設になってしまってますよね。その点、オーストラリアのYHAのレベルの高さといったら、凄かったですね(12年前の話です)。こちらも1泊3000円くらいですが、オシャレで機能的で快適でした。
       Railway Sydney YHA        ドミトリーが列車の建物

学生時代にキャンプは何度かしましたが、滞在する宿泊施設で自炊するのは、この旅が初めてでした。
残念ながらYHAの共同キッチンの写真をメインには撮っていないのでわかりずらいですが、とにかく共同キッチンが広い。そしてなんでも揃っている。

ただ、残念だったのは、食材と料理の腕でした。
お金がなかったのもありますが、我々が手にできる食材は限られていたので、作る料理が貧素でした(笑)

最大の目的だった、エアーズロック(ウルル)やカタジュタを満喫し、

留学中の友人と、ブルーマウンテンにも行き

シドニー周辺の観光もして、

最高な旅でした(懐かしいな)。
(結局私はお金が足りなくなって、留学している友人にお金を少し借りました。。。)

さて、さらっとしか記載してませんが、これが私の海外の旅の原点なのですが、貧乏だったが故に、「自炊」をしながら旅をしました。もちろん外食も何度かしましたが、だいたい自炊でした。暮らすように旅をするというのは意識してませんでしが、半分そんな感じでしたね。海外旅行をしている人は当たり前だと思いますが、海外旅行における食事は「自炊」と「宿泊施設ではなく、街のレストランなどで食べる」だと思います。そして予算に応じて以下のようにそのバランスが変わってきます。

1.超節約したい(貧乏旅行)=ほぼ自炊
2.節約したい=できる時は自炊、自炊ができない、食べたいものがある場合はレストランで食事
3.美味いものを沢山食べたい=基本はレストラン、たまに自炊
4.豪遊したい=宿泊施設内かレストランで食事

訪日外国人の平均の日本の滞在日数は10日前後。
その10日間で、4のカテゴリーであっても日本の旅館・民宿・ペンションなどの宿泊施設の標準サービスである1泊2食付きの宿泊をするのは1泊,2泊あればいい方です。なぜなら、そもそも東京、名古屋、大阪、京都などの街が旅の中に含まれており、レストランで美味しい日本食を食べる計画を立てるからです。高山に行けば、ランチやディナーに飛騨牛を食べれるレストランに行きます。宿泊施設で食べるより、レストランの方が最適な量、そしてコストパフォーマンスが良い場合が多いことも皆わかっています。

1泊2食付きの宿泊費を仮に12,000円とすると、その内訳の半分くらいは食費となります。
6000円で朝食と夕食は高いですよね。。。さらにお酒を頼むとまた高くなりますよね。お金のある人たちの中には、毎日そのような費用をかけて旅もするでしょう。宿泊サイドで言えば、そこにターゲットを定めるのも一つかもしれません。やるなら徹底的に高級志向とか、徹底的に日本を感じられる設えにするとか。そうなると海外旅行者は、その特別な1泊、2泊のためにそこに宿泊したいという旅の目的になると思います。それでも、多くの海外旅行者(1,2のカテゴリー)は、食費は1日1人2000円くらいで済ませたいはずです。1000円以内というバックパッカーもいるでしょう。そうなるといわゆる日本の旅館・民宿・ペンションで食事付きを選択せず(B&Bは選択される)、自炊かレストランに行くのではないでしょうか。日本の宿泊形態がむしろ、世界からするとガラパゴスで、海外では1泊2食を標準サービスとしている宿泊形態はほとんど見かけません。

現在は格安航空券などで海外旅行者がとても増えており、途上国の人たちも海外旅行をする人が増えています。そして海外では、家族で当たり前のようにゲストハウスやホステルに宿泊します。日本もゲストハウスが増えていますが、それでも海外に比べてみればまだまだ絶対数が少なすぎるでしょう。さらに、日本はまた独自のゲストハウス文化が生まれているところもあり(これもまた別のブログで書きます)、家族で泊まれるゲストハウスが少ない。

なぜ、日本の宿泊施設は世界から見るとガラパゴスなのでしょうか?

まず宿泊施設のメインターゲットが、休日の取りにくい自国の日本人だったからでしょう。
忙しい日本人が国内で1泊2日や2泊3日の短期間で充実した観光旅行となれば、旅行者は自分で自炊するとはならず、食事付きプランを選択すると思います。また日本ではお母さんがメインで食事を作っているとなれば、旅行する時くらいお母さんは「食事作りから解放されたい」と思うでしょう。海外(特に西洋諸国)では食事はお母さんが作るという考えは基本的にはなく、食事作りは皆んなでやるものという認識で、解放されたいという気持ちが湧くことがそもそもありません。
※これは実際にRaichoに宿泊された日本人夫婦の奥さんが、私は本当は食事付きがよかった、旅行する時くらい食事を作りたくない、ということを言われたことが何度かありました。ちなみにRaichoで自炊する家族や夫婦、カップルはむしろ男性がキッチンに立つ場合が多いです。親が子供に食事作りを任せるケースも何度も見ています。

さらに日本人の海外旅行は、旅行会社のツアーで行くことが主流だからですね。
今でも空港のカウンター前に、ツアー会社の添乗員が付き添って、チェックインする日本人の旅行者は多いですよね。中国も多いかもしれません。しかしこれは、世界の旅行者の中では、あまり見られない光景です。ツアーはプラン内容にしては、個別でそのプランを組むより、かなり安く済むと思います。自由行動時間はあるにせよ、全体のスケジュールがびしっと決められ、食事をする場所もだいたい決められています。お得で楽といえば楽。旅行会社のツアーの中に、自炊で過ごすような工程は入りませんよね(笑)
よって、そもそも自炊して旅をするということを体験していない人が他の海外諸国に比べて相対的に多い。
ただし、海外旅行経験が少なくても、山に行く人は、自炊に慣れているので、自炊旅を好む傾向があります。

こういった背景で日本には自炊のできるゲストハウスやホステルがこれまであまり増えなかったのでしょう。
東南アジアなどではゲストハウスやホステルなどの合計ベット数は普通のホテルの合計ベット数並みにあります。外国人旅行者が増え続けている日本では、自炊ができる宿のニーズはますます高まるでしょう。ちなみに、日本のゲストハウス・ホステルでは、自炊キッチンがおまけのようにしか付いていないところも多いです。周りにコンビニがあればそれでも良いかもしれませんね。

現在のゲストハウスのオーナーは、そもそも世界を旅していて、ゲストハウスをやりたいと思う人が多いようですが、自分は「ゲストハウスをやりたい」というより、「温泉宿をやりたい」と思っていました。なので自分の場合、ゲストハウスという宿泊形態を「選択した」という方が正しいでしょう。そしてそれはインバンドのニーズを満たすことが選択した理由の一つです。日本人にも長く滞在してほしいから安価な価格設定ができるゲストハウス型にしたというのも理由の一つです。他にもあります。

ここで、旅館業営業許可の種類には、ホテル、旅館、簡易宿所、下宿があります。
ゲストハウス・ホステルはだいたい簡易宿所で許可取得しますが、Raichoは元々旅館だったので、今も営業許可上は旅館です。平成27年3月末現在の旅館業の営業許可施設数は、78,898施設。前年より621施設の減少となっています。これだけインバンウンドでホテルが足らないと言っているのにも関わらず全体で減少しているんです。その理由は種類別営業許可数で特に「旅館」が減少傾向にあるからです。特に地方で。これは、そもそも日本人の国内旅行の需要が減っており、その国内旅行者がメインターゲットの旅館が少し厳しい営業状況にあるからです(外国人をターゲットにしている旅館は売上が伸びているでしょう)。
日本人の国内旅行はこれからさらに減少傾向ですが、もちろん一定のニーズは残ります。しかし、需要が減っている中で生き残るためには、かなり特色がないと難しいでしょう。

その国内需要の減少をカバーするのが、インバウンド。

その中で、先にも述べたように、10日間の1泊か2泊の旅館で1泊2食の特別な宿泊のための温泉旅館より、その他の日数滞在する宿泊形態(ゲストハウス型温泉宿)の方が需要に対して供給量が圧倒的に少ないだろう(=ビジネスチャンス)、かつ資金力のない、経験もない私がビジネスを軌道にのせるためには良いだろうと考え、Guesthouse Raichoにして、現在軌道に乗せるべく頑張っています。今の所、冬以外はなんとかその狙い通りになっています(冬の苦戦はまた別で書きます)。

さて、結論として何が言いたかというと、何かやりたいことがあっても、マーケティングを行い、やり方=つまり戦略を考える必要があるということです。
私はマーケティングや戦略の立て方を前の会社の上司、先輩から学びました。本当に感謝しており、いつか何かしらの形で恩を返したいと思っています。

現在、学んだことを実践する日々。トライアンドエラーの繰り返しです。そしてこれは経験としてできるだけ詳しく記録として残すことで、誰かのちょっとした参考になればいいなと思っています。今日はさわりの部分だけの紹介ですので、これからビジネスについても具体的なことを書いていきたいと思っています。

ちなみに、Guesthouse Raichoでは4月中旬からインバウンドの宿泊需要が高まります。
GWは水芭蕉が乗鞍高原内に綺麗に咲き、残雪の残る春の高原散策、上高地散策が楽しめ、乗鞍岳ではスプリングバックカントリーなどを楽しめます。宿泊をご希望の方は早めにご連絡下さい。
Guesthouse Raichoの宿泊予約は以下からお願いします。
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